essay14
サクソフォン・シアター Vol.3 春編 に寄せて(2012.3.14)
サクソフォン・シアター Vol.3 春編 に寄せて(2012.3.14)
シアターと名付けたコンサートの第3回目はダンサー大園康司さんとの共演。
私の感じる音・音楽と彼が音・音楽から感じる情景・風景を、ピアニスト松本侑大と共に
どのように描けるのか、ステージを作ることができるのか、三人の思いはそれぞれですが、
とても楽しみにリハーサルしています。
ダンサーとの初共演は1992年、私のオリジナル曲「Chatting」とピアニストの3人での競演でした。
テーマはあるものの、即興演奏でのパフォーマンスは刺激的・情熱的なステージになったことを記憶しています。
それから5年後の1997年、ダンサーをイメージしたソロ曲「Dancer」を書きました。
この曲は何度もお客様の前で演奏してきました。
今回のシアターで、若くてエネルギッシュ・躍動感に溢れ、大胆かつ繊細でなめらかな雰囲気を感じさせてくれる大園さんと一緒に
「Dancer」をベースにしたパフォーマンスが出来ることは、ダンスとの共演への好奇心と想像力を一層かき立ててくれます。
今回の春編、第2部は『瞬間に、出会う』がタイトル。
瞬間が、次の瞬間に出会うこと、それは瞬間が瞬間へと繋がってゆくこと・・・
そう、私の発する1つの音が次の1つの音へ繋がる瞬間は、
まだ知らない未来・未知の世界に向かって繋がってゆく瞬間に出会うことに他ならないのです。
音の繋がりは、瞬間の繋がり、今を生きていることを感じることのできる瞬間だと感じるのです。
肉体をもって表現するダンサーと、体を通して音・音楽を表現する演奏家が、
「瞬間に、出会う」同じステージに立ち、新たなるシアターを創ることができればいいな、と感じています。
スペシャルゲスト:大園康司