essay6
サクソフォン・シアター Vol.1 秋編 に寄せて(2011.9.7)
サクソフォン・シアター Vol.1 秋編 に寄せて(2011.9.7)
その1 ゲスト:今井朋彦(文学座)さんとの出会い
出会いは1992年3月。
私が楽器・音楽を教えていた新宿コタニ楽器の音楽教室に彼今井朋彦さんは入会してきました。
当時私がレッスンする科目・楽器は何でも大丈夫、受講したい生徒さんの希望に添えることができれば、
サックス以外の楽器でもレッスン(7~8種の楽器と歌であったでしょうか・・・)をしていたのです。
実におおらかな時代・・・そして適当な講師であったと思います(今も変わりありませんが・・・)。
彼が教室に来たのは、先に生徒であった文学座出身の役者さんの紹介でした。
先輩役者さんにはクラリネットのレッスンをしていたのですが、教室の扉を開けた彼はフルートを持って現れたのです。
3月13日(金曜日)この日がレッスンの始まり、彼との付き合いの歴史の幕があがったのです。
当時の私は、先輩役者さんの芝居を良く観に行き、一緒に飲む機会も多くありました。
音楽人として役者さんの世界・演劇の世界との繋がりを持つことができていました。
役者の生徒さんのレッスン内容といえば、音楽を教えること以上に、役者であるための「耳」のあり方・
役者としての「声」の捉え方を中心に、楽器・音楽を通してレッスンしていたものです。
私の生徒・弟子になった彼は、楽器フルートで曲を演奏することより
「耳」のレッスン=役者としての「音」の捉え方が中心のレッスンだったのです。
彼にとってはさぞかし疑問(不思議)なフルート・レッスンだったことと、今振り返れば思えるのですが、
同時にそんなレッスンだったからこそ、お互い表現者としての信頼関係が生まれたことにつながったのだと思います。
(私の勝手な推測ではありますが・・・)。
また彼の若い頃の芝居もよく観に(まだ余り出演機会は多くなかったと記憶していますが)行きましたし、また一緒に飲みました。
私も役者さんたちと一緒に飲んで喋ることが決して嫌いではなかったので・・・(お酒が強いわけではないのですが・・・)
今井さんとは1992年3月に出会いましたが、私の新宿でのレッスンはその年の9月まででした。
新宿でのレッスン期間は出会って半年間、あっという間の6ヶ月間だけだったのです。
新宿以降の話は「その2」で書くことにします。
2011年10月22日・・・20年目の秋、また、共演します。