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第3章  「耳ヂカラ」を身につけるために何が必要なのか

 耳づくりは体づくり/姿勢と呼吸

 自分の音は「外の耳で聴いて覚える」ことから始めていきますが、
 この時大切なことは「音を出す・出た音を聴く」時の「姿勢」です。

 「音」は良い「姿勢」をとることで、身体への良い「伝達・共鳴」を生み出します。
 そして良い「姿勢」と共に大切なことは良い「呼吸」です。

 良い「呼吸」は、良い「姿勢」が必要ですが、どちらが先ではなく
 良い「姿勢」が良い「呼吸」はお互いに必要であることとして、一緒に感じられることなのです。

 真っすぐに立つ「姿勢」と「呼吸」

 耳づくりは体づくり、「耳ヂカラ」を確かなものとして身につけるためには
 「姿勢」と「呼吸」を正しく理解することが重要です。

 「納得できる音・音楽」をしていけるためには、
 「姿勢」=「真っすぐに立つこと」と「呼吸」=「腹式呼吸ができる」こと、
 避けては通れない課題なのです。

 一般的に良く聞く・耳にする・目にする機会が多くあることと思いますが、
 楽器を演奏する上での「姿勢」であり「腹式呼吸」と言うことを先に考えて、
 形が先の「姿勢」と「腹式呼吸」にならないように気をつけなければなりません。

 「いい姿勢」が取れるから「いい音」が出せる、
 「いい呼吸」ができるから「いい演奏」ができる、と言うように簡単なことではありません。

 発想の転換、「いい音」が出せていれば「聴こえていれば」=「いい姿勢」であり
 「いい呼吸」ができていることになる、そう思うこともまた必要なことなのです。

 呼吸・息継ぎの時に「体」が動いていませんか?
 今出していた「いい音」とを無くさないように「体」を維持できていますか?

 動いてしまった「体」はそれまでとは違う「姿勢」になり「同じ音」は出しにくくなります、 「聴こえにくく」なります。
 同じ「姿勢」と「呼吸」を維持・保持できなければなりません。
 同じ「音」であることは、同じ「体」の「姿勢」と「呼吸」をなくしては、不可能なのです。

 楽器を使わず母音トレーニング

 「耳ヂカラ」は、自分の発した「音」の中から、「自分の欲しい音、聴きたい音」を、
 「外耳=鼓膜」を通してイメージ通りに聴き入れることができるスキルでもあるのです。

 「外耳=鼓膜」から聴き入れる「外で聴こえる音」を
 たくさん「体への伝達・共鳴」=「体は楽器」にできるようにして、
 「耳ヂカラ」=「納得できる音」を身につけ、
 新しい自己表現力の向上をめざして「ハミング」「母音」トレーニングをしましょう。
 

 私たちは声・音を発する時、体にその声・音の響きをどれだけ生かしているのでしょうか?伝えているのでしょうか?

 声・音は(声帯・リードは振動して)体に伝達・共鳴していますが、
 発した「外の声・音」を「耳」で「外の耳で聴ける」ことにより
 「鼓膜」は振動して身体へと伝達・共鳴が起きます。

 
 体は楽器です、ハミングは自分だけの声=響きを生みだす名器になるためのトレーニングなのです。 

 「ハミング」は口を閉じて声の伝達・共鳴を体で感じることなのですが、
 「耳ヂカラ」を得るためのトレーニングとして大切なのは、
 ハミング・母音共に目(体)の前の目の高さに聴こえるポジションを設定することです。

 この外で聴くポイントを確実に設定できるかが重要なポイントであり、
 このポイントで「発した声」を聴けることがまず大切になるのです。

 「ハミング」で感じる体の響きを「口を開けて」「母音」に移行していっても
 聴こえるポイントは目(体)の前の目の高さ同じであることを意識・認識して、
 「声」の振動・共鳴を身体全身で無くさないように維持・保持できるようにトレーニングします。

ハミング「ム〜」から母音の「エ〜(ア・でも良い)」、「ム〜エー(アー)」のように「ハミング」します。
一息を使い切る中で「ハミング」〜「母音」へと声を楽に移行します。
「ハミング」〜「母音」へ移行しても「ハミング」で共鳴している体の響きは決して無くさないように維持・保持します。
同時に外のポイントで「聴こえるハミング」を「耳ヂカラ」を通して体全身に伝達・共鳴させて、
より豊かな体の共鳴を感じ取ることが大切です。

 どんなに「いい音」を出したい・聴きたいと思っても、発信源である体が良い楽器(共鳴体)でなければ、
 本当の意味での「いい音」=「納得できる音」には結び付かないのです。

 楽器の音程・キーによって音色や通りが違うことは、体の共鳴によって起きていることが多いのです。

 例えば「ミ」から「ファ」、「ミ」の音程はちょっと高めだったり「ファ」は音が大きくなってしまう。
 「シ」の音程は高め「ド」は籠って低めになってしまう、等々・・・

 メロディーを演奏する時に頭の中で音程を歌っていませんか?
 きっと歌っていることと思います。
 この音を歌っていると声帯はその母音の状況になっているのです。
 音程のふらつきや、音の抜けなど母音の捉え方によって起きているのです。
 このような状況は母音トレーニングで簡単に改善されることなのです。

 楽器を練習する前に普段の生活の中で練習・身につけることができるのです。
 練習は一日多くて一時間でもそれ以外の生活時間は16時間余りあるのですから・・・

 *「声」がいい人・響きの豊かな人の演奏する「音」は、やっぱり「いい音」するんです(悔しいかな)。
 *「母音トレーニング」はヴォイス・トレーニングの前に、取り組むことなのです。

 基礎トレーニングは「共鳴記憶耳体」

 先に「同じ」ポイントで「聴こえる耳」=「耳ヂカラ」=「納得できる音」を身につけるということを言いましたが、
 それはつまり、自身が発した「声・音」を「耳」と「体」が「同じに聴こえる・聴こえている」状態・感覚を、
 「記憶・再現できる」ことに結びつけることなのです。

 この「耳」と「体」が、記憶しておける状態・覚えておける体の状態を
 「共鳴記憶耳体」(きょうめい・きおく・みみ・からだ)と命名しておきます。
 
 スポーツ経験のある人なら、上手くなるために必要なイメージを一つの形として作り上げる時に
 (フォーム等)行なった基礎トレーニングのことは、忘れようとしても忘れられない経験だと思います。
 その繰り返し繰り返し続ける基礎トレーニングは実に退屈で好きになれなかったのは私も・・・ですが、
 基礎トレーニングをしたからこそ続けたからこそ、楽しいことも沢山経験できたことも事実です。

 スポーツ経験や好きなことでの基礎トレーニングと同様に、自分の「聴きたい声・音」「外で聴こえる耳」をイメージして、
 繰り返しトレーニングすることで「体全身」で「記憶して・覚えておく」ことのできる
 「共鳴記憶耳体」=「耳ヂカラ」=「納得できる音」を身につけることができるのです。

 「共鳴記憶耳体」は、「姿勢と呼吸」「伝達と共鳴」を意識して、
 「忘れないこと・覚えておくこと」・「思い出すこと・欲しがること」にも強い集中力と、
 「同じこと」が再現できるイメージを無くさないように、トレーニングしてゆくことなのです。
 (石の上にも3年/ローマは一日にしてならず・・・)




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