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3:腹式呼吸を身体に覚えてもらうためのトレーニング
・「息を吐く」=基本トレーニングのための姿勢を身につけましょう 両手親指を腰のお腹側に・残りの4指で軽く腰を挟み、軽くお辞儀をするようにして腰を曲げた姿勢です。 ・A:「ゆっくり息を吐く」 ・B:「素早く息を吐く」この2つをトレーニングしていきましょう。 ・2つのトレーニングを通して、「耳ヂカラ」を身につけていくための「腹式呼吸」をモノにしましょう。
A:「ゆっくり息を吐く」
準備=息を吐くポイントは声が聴きたいポイントと一致させ、集中する
1:腰に手を当て前屈みの姿勢をとる(緊張)
2:鼻から空気をゆっくり吸う(吸気)
3:空気を吸いきったら息を止める(維持)
4:口からゆっくり息を吐く(呼気)
5:息を吐ききったら止める(維持)
6:全身の力を抜く(リラックス)
1:両手親指を腰のお腹側に・残りの4指で軽く腰を挟み、軽くお辞儀をする姿勢をとります。
この時、先に述べてある「肩を動かさない姿勢」を崩さないようにします。
腰に手を当てることによって決して肩が上がらないように注意します。
2:息は、鼻からゆっくりと腰に手を当てた手が、腰に押されるように、広がるように身体に取り込みます。
胸が広がってゆく「胸式呼吸」にならないように注意深く、慎重にゆっくりと吸気が腰に入ってゆくように「腹式呼吸」します。
お腹の前の部分(丹田)を意識することなく、
あくまでも腰(背中側に)が膨らむことを手で確認しながら吸気できるようにします。
3:ゆっくりと吸気して膨らんだ腰を確認して、その状態で4〜6秒息を止めた状態にします。
呼吸ポジションの維持・保持(筋力の維持・保持)です。
4:次は息を吐いてゆきますが、手を当てた腰の膨らみがしぼんでしまわないように、
ゆっくりと口から「ハァー」、と吐いていきます。
手を当てた腰の膨らみがなくならないように、集中して息をコントロールして吐いていきます。
膨らんでいた腰の部分がしぼんでしまうのは、腹式呼吸のための筋力(腰筋)ができていないためなので、
膨らんだままの腰の状態を維持して息を吐けるようにしていきましょう。
5:ゆっくり息を吐ききっても、膨らんでいる腰の状態を確認して4〜6秒息を止めます。
吸気して止めた時と同様に呼吸ポジションの維持・保持です。
6:全身の力を抜いてください、リラックスしてください。
ここまで1〜6の一連の動作が「ゆっくり息を吐く」=「腹式呼吸」をマスターするためのトレーニングです。
「ゆっくり息を吐く」トレーニングで重要なことは、息を取り込む時・吐き出す時共に、腰の膨らみを感じることです。
息のコントロールをしていることを実感できることです。
一連の行程はかなりの集中力が必要になるので、一度のトレーニングは、2〜5回が目安です。
身体に負担がかかりすぎないようにしていきましょう。
また、一日で何回かに分け、回数を積み重ねることによって身体が覚えこんでしまえるようにトレーニングしていくことが重要です。
「呼吸は腹式」が当たり前になるように、こつこつと続けていって下さい。
呼吸法は「腹式呼吸」=「耳ヂカラ」の基本なのです。
「耳ヂカラ」を身につけてゆくための「腹式呼吸」とは、お腹を使って肉体的に呼吸することではなく、
「一つの息を上手に使う」=「吐く息をコントロール」できるための「呼吸法」だということを理解して下さい。
一般的な「腹式呼吸」ができるからと言って、「耳ヂカラ」に必要な呼吸法とはいえません。
「耳ヂカラ」が活かせる呼吸法が「腹式呼吸」を伴っている、と理解しましょう。
B:「素早く息を吐く」
☆基本姿勢は「ゆっくり息を吐く」と同じですが、息を吐く動作が変わります。
準備=息を吐くポイントは声が聴きたいポイントと一致させ、集中する
1:腰に手を当て前屈みの姿勢をとる(緊張)
2:口からすばやく息「パッ・パッ・パッ・パッ」を続けて吐く(呼気)
3:「パッ・パッ・パッ・パッ」と息を吐く時、息は1回ごとに吸わない(吸気は無意識)
4:全身の力を抜く(リラックス)
リズム良く息を吐くと次の瞬間(自分で意識しなくても)には、身体が新しい酸素を取り込んでくれます。
これが吸気です。
息を吸う感覚ではなく、息を吐いた後身体に息を取り込んで貰います。
自然に吸気(吸えてしまう)ができてしまう、この動作が重要になっています。
自分で新しい酸素を「吸い込む」のではなく、身体に「吸い込んで貰う」感覚です。
「パッ」と吐く息の切れが良くなることは、身体に「吸い込んで貰う」吸気動作が素早くなり、
息の切れを良くする筋肉(腰筋等)を強くできることに結びついています。
「腹式呼吸」を会得するために、多少きついトレーニングですが、
集中して「素早く吐く」トレーニングをしていきましょう。
吸気を意識することなく体が自然に取ってくれるようになると、聴こえること・表現することに集中できることになります。
表現者にとっては必要不可欠、なくてはならないスキルです、ぜひ身につけましょう。